1. 現金管理はなぜ必要か?

美容業界において勝者となり競争に生き残る為には、経営面でしっかりした体制を築くことが必要条件となります。経営は数字で表現され、数字はお金の動きを意味します。戦略的に行動して利益を出していくには、日々の収入と費用を把握しながら自分のサロン経営を分析していくことが必要となります。

2. 現金管理ができていないとどうなるのか?

「売上を上げても、なぜお金がたまらないのでしょうか?」
それはきちんと現金管理をしていないからです。

① サロンの小さな支出に気が付かない。
② 売上と経費の計上漏れに気が付かない。
③ お金を何に使ったかわからない。

「今日の売上はいくら?」という質問にはわりとすぐに答えられることでしょう。しかし、「今日の経費はいくら?」という質問には材料費、地代家賃、給料、電気代、サービス費等々、すぐ回答はできないと思います。通帳に残高がなくなって、慌てて預け入れをする方も多いのです。

「手元にお金がないから儲かっていない」・・・実際は?
「うちはまだ儲かっていないから税金はかからないよ」・・・実際は?

いざ計算すると実は利益が出ていて多額の税金を支払わなければならなくなるのはなぜでしょうか。これは実際の儲けを正確につかんでいない為に起こる現象で、サロンで起きている事にも気が付かないということにもつながります。ましてやレジのお金を経営者が持ち出し、自分の財布と一緒にするのは絶対してはいけません!

3. お店の現金を手軽にわかりやすくする管理する方法

「つり銭定額方式」と「小口現金方式」をご紹介します。

つり銭定額方式
毎日同額のつり銭を残し、レジを締める際の現金と翌日つり銭の差額を全額普通預金に預け入れる方法。
<<メリット>>
・毎日のレジ現金の始めと終わりが同じ金額なので、帳簿がつけやすく、現金過不足も発見しやすい。
・現金を持ち歩いたり、サロンの金庫に現金を入れておく必要がない。
・その日の現金残をそのまま入金するので、日々の収支が把握しやすい。
<<デメリット>>
・気軽に支払ができるため経費を使いやすい。

小口現金方式
売上は毎日全額普通預金に預け入れ、少額の支出のみ小口現金として現金精算する方法
<<メリット>>
・売上を全額入金することにより、売上が通帳に記帳され確実な証拠となる。
・オーナーの知らない多額の支出が抑えられる。
・使用できる現金が限られているので、節約につながる。
<<デメリット>>
・支払の際、手元に余分な現金がないため、銀行振込等の事務手続きが増える。
・現金出納帳と小口現金出納帳と現金帳簿を2つ付けないといけない。