1.契約形態

① 普通建物賃貸借契約
一般的な店舗賃貸借契約です。契約期間(2年~3年)が定められており、解約の意思表示をしなければ自動更新となります。

② 定期建物賃貸借契約
こちらの契約は注意しなければなりません。5年から15年程度に期間が定められた契約で、原則 期間満了で建物賃貸契約が終了してしまうものです。 店舗を続けたくても続けられない可能性があります。

2.家賃・保証金・更新料

① 家賃
家賃や管理費(共益費)の金額が周りの相場と比べて妥当な金額かどうか調べる必要があります。近隣の不動産情報を参考に比較すると良いでしょう。

② 保証金
保証金は、敷金のように滞納賃料や損害金の担保としての性質のほかに、貸主が建物を建設するために必要な資金を借主から借りるという性質も持っているため、都内の一等地に借りる場合など多額の保証金が必要となるケースがあります。
保証金は、契約解除時にしか返還されないので多額に保証金を支払うと資金繰りが苦しくなる可能性があるのでご注意ください。
又、契約解除する場合に、契約解除の申し出をしてからすぐに保証金を返還してくれる場合もあれば、契約解除の申し出から7年後に返還されるというケースもあるので、店舗移転等をする場合など、その保証金の返還金を資金繰りに入れていると計画が崩れることになるので契約書をよく読み注意する必要があります。

③ 更新料
契約期間の満期時に契約を更新するために必要なものです。
更新料も契約書に必ず記載されています。更新時に新家賃の一ヵ月分という契約から、保証金の20%を償却してその金額を更新時に補てんするという契約など、様々な更新料の設定があります。更新時にいくら支払わなくてはならないのか把握し、毎月の積立金も資金繰りに加えなければなりません。

3.契約解除時の原状回復

契約を解除した場合、店舗をどの状態にして貸主に明け渡さなければいけないのか、契約書に記載されています。特に注意しなければならないケースは居抜き物件です。居抜き物件の場合にスケルトンにして明渡す契約になっている場合、もともと造作をする前の状態が確認できないため、どこまで借主の負担で原状回復しなければならないのか、契約時に貸主によく確認する必要があります。例えばシャッターや入口のドア等は借主が造作したものなのか確認するといったようなことです。
又、原状回復について貸主の指定業者が行うという内容であると、工事費用が割高になるケースもあるので契約書の確認が必要です。


このほかにも、支払方法、賃料等の改訂、修繕費の負担等、契約書にはいろいろな約束事が記載されています。契約書をよく確認して分からないことがあればどんどん質問しましょう。契約書の内容は変えられないものではなく、貸主、借主双方が納得した約束事を書面にするわけですから納得いかなければ何回でも書き直してもらって下さい。
又、契約に不安を感じている方は契約書に押印する前に専門家に相談してみることをお勧めします。